開催報告:指導者ライセンス全級合格者 表彰式
指導者ライセンスは、指導実技・演奏実技・筆記・エッセイの4科目の受検を通して継続的な「指導力の研鑽」を支援するための検定システムです。1996年にピアノ指導者のための検定試験として立ち上がり、2015年に「ピティナ・指導者ライセンス」と改称しました。
評価をされる試験ではなく、審査員からの講評を通して自身の指導・演奏を見つめ直し、筆記やエッセイ試験で音楽を学び直す ためにご活用いただいています。
ピアノを指導している方だけでなくピアノの先生を目指す方(18歳以上)を受検対象としており、受検級を初級・中級・上級の3つの区分から選択できます。
指導を実践的に学びたい学生/指導力を伸ばし自身の演奏力もより強化したいピアノの先生/学び直しをされたいベテラン指導者など
、のべ13,000組以上の方にご受検いただいています。
今年度の受検傾向からは、審査員による対面での講評と交流ができる 実地会場 での参加が多く、 4種類の技能をバランスよく 、なおその 受検年代は幅広く、40~50代の学び直しにも生かしていただいている ことがうかがえます。



- 2024年2月までの受検者606組のデータに基づく

音大を卒業後約12年間、公益法人の人材教育事業に携わる仕事をしていました。職場の福利厚生で音楽部を立ち上げたのをきっかけに、「やっぱり音楽を続けたいな」と思うようになりました。
ピアノの先生を始めようと思いましたが、学生時代以来指導経験もなく、始める自信を持てずにいました.そんな時に、交流のある調律師さんが「ピアノ指導者としての系統的な勉強をしたいのならば、ピティナの指導者ライセンスというものがあるから、受けて勉強してみたら」と勧めてくださり、
挑戦してみることにしました。
(小山 明子先生(指導会員)2020年度全級合格者)
- 合格体験記Vol.35より抜粋
各級の4技能の課程をすべて修了・合格すると、各級指導ライセンスが取得できます。3つの級の指導ライセンスを修了すると授与されるのが『全級指導ライセンス』。

2024年度2月までの受検で『全級指導ライセンス』を取得されたのは 10名 でした!
指導者ライセンスの採点は絶対評価であるため、皆さま各々の学習の積み重ねの成果が全級合格に繋がったと言えます。
年度 | 全受検者に対する全級合格者の割合 |
---|---|
2021 | 2.4% |
2022 | 2.6% |
2023 | 2.5% |
2024 | 1.6% |
全級合格者表彰式
2025年3月3日(月)浜離宮朝日ホールにて2024年ピティナ・指導者ライセンス表彰式が開催され、全級合格者の皆様がその努力の成果を讃えられました。

全級合格を果たすことは容易な道のりではなく、長年の学びと挑戦の積み重ねが必要とされます。式では、金子勝子先生、福田成康専務理事より、指導者としての成長を続けることの大切さが語られました。
※以下、当日のご挨拶より抜粋・一部編集
指導者ライセンスの全級取得は、非常に大変なことです。今回表彰を受ける皆さまは、優秀で努力を重ねてこられた方々です。しかし、ライセンスを取得したことで終わりではありません。人生は長いので、これからが本当の始まりだと思ってください。

全級合格の仕組みは、ピティナの根幹である『指導者が学び続ける場』を体現しています。一生学び続け、追求し、より良い指導者であるために努力されていることに心から敬意を表します。

本年度、全級合格を果たした 永岡亜紀子先生(京都) と、初級に合格し現在全級取得を目指している 石井咲子先生(静岡) 。ライセンス受験の道のりや、学び続ける意義について伺いました。

- 以下敬称略
指導者ライセンスを受験しようと思ったきっかけは?
私は『教える力が足りないのでは?』『もっと上手に導けたら…』と常々思っていました。そんな時、ご指導いただいている西谷玲子先生にライセンス試験を勧められたのがきっかけです。遠方にも足を運び、各地の先生方にお世話になりました。
試験会場でお知り合いになったそうですね?
試験開始前、ロビーで私から声をかけました。緊張が和らぎ、試験に臨みやすくなりました。終了後も他の受験者の先生方とお話しし、楽しい時間を過ごしました。
初受験で緊張していましたが、永岡先生が優しく声をかけてくださり、とても安心しました。しかも遠方からいらしていたと聞いて驚きました。受験を続けるのは大変ですが、試験会場で頑張る先生方の姿に励まされます。
受験を続ける中で、くじけそうになったことはありましたか? どのように乗り越えましたか?
正直、試験のたびに緊張しましたし、くじけそうになることも何度もありました。でも、そんな時は気持ちを切り替えるために、別の試験を受けて試験慣れをしたり、娘と一緒にピアノと全く関係のない息抜きをしてリフレッシュしていました。焦りすぎず、でもペースを崩さずに受験を続けられたことが良かったのかもしれません。
心が折れそうになることもあります。でも、ライセンス取得を目指す仲間を思い出したり、合格後の自分を想像することで乗り越えています。
試験を重ねる中で、指導に変化はありましたか?」
レッスン内容をより多角的に振り返るようになりました。試験では限られた時間で初めての生徒さんを指導するため、普段のレッスンでも『今、一番困っていることは?』『どこを優先すべきか?』を瞬時に判断する力が身についたと思います。
「試験に合格すること」と「良い指導者になること」の関係は?
試験を受けることで楽曲について調べる機会が増え、試験後の講評や試験官のアドバイスがスキルアップにつながります。
試験に挑戦することで、自然と楽曲や奏法を学ぶ機会が増えます。それが正しいかどうか、試験結果を通じて確認できる。その積み重ねが、より良い指導につながるのだと思います。
インタビューにご協力いただきありがとうございました!
指導者ライセンスは、2025年度も実地・オンラインにて40地区以上で開催予定です。 指導者ライセンス取得にかかる年数に期限がありませんので、仕事や家庭の都合に合わせて、受検を検討してみませんか?

日程:2025/4/2(水)10:00-12:00
会場:オンライン
概要:ライセンスとは?受検の心構えとは?質疑応答を交えてお聞きいただけます!

日程:2025/4/4(金)10:00-12:00
会場:東音ホール(実地)/オンライン
概要:コンペの指導準備がライセンス筆記試験対策にも生かせます!
- 指導者ライセンスにご参加いただいた方
- 指導者ライセンスの説明会にご参加いただいた方
- 指導者ライセンスの受検予定がある方
にご参加いただける承認制で、開催や勉強会の情報を共有いただく場となっています。
ぜひフォローをお願いします♪