ピティナ・指導者ライセンス
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Vol.62 坂本望先生「楽譜を深く読み取る力の向上」(2022年度全級合格)

合格体験記
vol.62
坂本望先生

東京都大田区/正会員/2022年度全級合格

レッスンも自己研鑽もライセンス受検も、全て同じ線でつながっている

バロック作品のレッスンに確信が持てず、学び直しが必要だなと感じていた折に、コロナ禍に入ったことがいいタイミングとなり、指導者ライセンスの受検を決めました。

現在、40名の生徒さんのレッスンと自身の演奏活動を並行しており、さらに子育て真っ只中でもある身なので時間に限りはあるものの、レッスンもライセンス受検も自分の研鑽も、全ては結局同じ線でつながっているので、大変だとは全く感じず、むしろ相乗効果で全部が上向きになっていく充実感がありました。

楽譜を深く読み取る力の向上

指導者ライセンスの受検対策として、まずはセミナーを積極的に受けることから始めました。幅広く知識を得ようと、なるべく多様なテーマの講座を受講していく中で、苦手意識のあったバロック・古典時代にもぐっと近づくことができました。この2つのスタイルは楽譜上の指示が少なく、そもそも作曲当時と現代で楽器の仕様が違うので、演奏へのアプローチが難しくて窮屈なイメージがありましたが、音階の向き・リズムのイントネーション・声部の重なり方や和声進行などの様々な情報から作曲家の意図を読み取るヒントをたくさんいただけました。第一線で活躍されているセミナー講師の先生方による曲の解釈は、確固たる知識と根拠に基づいていることがよくわかり、すっと腑に落ちてきます。

そして、楽譜を深く読み取る力の向上には自分が実際に練習するのが一番だと思い、これまでレパートリーにしていなかった作品を1週間で数曲というペースでどんどん新たに練習していくという取り組みも行いました。この習慣で曲の解釈に自信がもてるようになってくると、ある程度演奏の自由度も広がることに気づき、型にはめるばかりでなく、弾き手の個性を活かすことも大切にしようと意識するようにもなりました。

コンサート風景
指導実技は他の受検生の等身大のレッスンから刺激を受ける機会に

受検科目の中では、指導実技試験が特に面白かったです。自分の実技経験としても貴重でしたが、受検されている他の先生方のレッスンを拝見できたこともまた大きな学びでした。公開レッスンやセミナーではなく、自分と同じ受検者という立場の方の等身大のレッスンは、また違った刺激があります。レッスンの内容はもちろん、伝え方、言葉の選び方、生徒さんの反応、実際に変わったかどうかなどを客観的に見させていただき、とてもとても参考になりました。

レッスン風景
受検後の変化

あらゆる試験を通して、自分に足りないものや避けていたものと向き合うことができ、指導にも演奏にも以前より少しだけ確信が持てるようになりました。ただクラシック音楽の世界は果てしなく広く、得たスキルは氷山の一角でしかないとも思っています。まだまだ勉強を続けていかなければなりません。

これからの目標

自己表現としてのピアノの楽しさを伝えること、練習方法の提案、本番でどう力を出すか等、主軸に「演奏」を置いているからこそ伝えられるレッスンを自分のカラーとして、これからもたくさんの生徒さんと音楽の素晴らしさを共有し続けていきたいです。自分が出演するコンサートにも、クラシックコンサートを聴きに行くひとつのきっかけになればいいなと、生徒さんたちもどんどんお誘いしています。

また、教室内でお楽しみ音楽会を開催し、音楽ビンゴ、作曲家クイズ、リズムリレーなどのゲームからクラシックに親しんでもらうきっかけを作っています。クラシック音楽の幅広い普及というのが私たち音楽家の大きな使命だと思っているので、「先生なんでも弾けてすごい!」や「ピアノって面白い!」とワクワクしてもらえるような努力はずっと続けていきたいと思います。

出演コンサートへ来てくれた生徒たちと
これから受検される方へのメッセージ

どの試験もとにかく全てが自分の栄養となりますので、楽しんで受けてみてください。

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