ピティナ・指導者ライセンス
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Vol.61 都理恵先生「幅広い学びと経験で視野を広げる」(2022年度全級合格)

合格体験記
vol.61
都理恵先生

東京都杉並区/正会員/2022年度全級合格

全ての講座が、音楽を大きく捉えるための大切な時間

ピティナとの出会いは30年くらい前になるでしょうか。音楽大学卒業したばかりの私は音楽教室に所属し、沢山の生徒を抱えておりましたが、「なかなか思う様に子供を導いてあげられない…」と悩んでおりました。

ピティナには指導者のための沢山の講座が用意されており、私は機会を見つけては参加をしていました。導入テキストの特徴や使い方であったり、小さな子供に有効なグッズ作りを教わったり、子供への声かけの方法やコンクールに向けての指導法など…学んだ事がダイレクトに活かせるピティナの講座が私は楽しくて仕方ありませんでした。ピアノに限らず指揮者、バイオリニスト、打楽器奏者…音楽の専門家の話も伺える指導者セミナーや医学やIT分野などもありました。その講座全てが、私にとって音楽を大きく捉えるための大切な時間となり、講座を終えると書くレポートもいつしか50枚以上となっていました。

学びの延長線上の指導者ライセンス

私にとって指導者ライセンス受検は、そうした学びの延長線で始まりました。2011年に初めて指導者ライセンス受検をした時は全級合格を考えていたわけでもなく、受検するとどの様なアドバイスが頂けるのだろう、という興味が先でした。

初級の演奏実技や指導実技はそれまでに学んで来たことの評価を得るような感覚で参加しました。筆記試験も久しぶりの音大受験の様な気持ちで、事前に秋山徹也先生の講座を受講し、楽曲分析、音楽史などの学び直しが楽しかったです。

この様な気軽な気持ちで初級ライセンスは受検したものの、中級以上はライセンス取得に目標を定めて取り組まないと合格は難しい事も分かり、楽しさ優先の私は暫くライセンス取得への意識が離れてしまっていました。

再びライセンス取得に取り組み始めたきっかけはコロナです。お家時間も増え、オンライン動画演奏実技試験も始まり、「YouTubeに動画をアップして送る」という新しい試験方法に興味が湧きました。動画審査で中級演奏実技の審査を頂いた樋口紀美子先生は一番辛口なコメントでしたが的確なアドバイスを下さり、その後自分の演奏活動に対しても、さらに上を目指すきっかけとなりました。

レッスン風景
面白いように自分の指導内容が変わっていく

中級ライセンスの受検を再開してからは、ライセンス修了スタンプが増えていく事も喜びになっていきました。集中してライセンス取得を目指し始めると、面白いように自分自身の指導内容も変わり、それが生徒の技術の向上、生徒の定着にも繋がっていきました。

指導実技では短い時間の中でポイントを絞り、効果のみえるレッスンをする難しさを学びました。また、一緒に受験している方の指導実技を拝見出来た事で、自分自身の指導を客観的に考える機会にもなりました。

中級まではなんとか自力で仕上げられた演奏実技も、上級30分のプログラムを用意するのは簡単ではありませんでした。その頃「樋口紀美子先生のレッスン公開講座、レッスン生募集」の文字が目に留まりました。「これはチャンス!」と応募したのが樋口先生との再会でした。上級演奏実技の演奏曲は1年半程かけて弾き込みました。舞台でソロ演奏をすることが苦手な私でしたが、樋口先生は人前で弾くチャンスを沢山作って下さいました。上級演奏実技を目指して努力した事で確実に実力は上がりましたし、演奏する事が以前より楽しくなっています。

樋口紀美子先生のレッスン
楽しい思いをした生徒は高校生になっても続ける

ピティナのコンペティション、ステップは生徒にとって良い学びの場となりますので、生徒には積極的な参加を呼びかけています。

特にステップはそれぞれのステーションで特色があり、生徒それぞれの希望に合った舞台体験をさせてあげる事ができます。今まで、生徒同士の二台ピアノやドラムとベースギターとのアンサンブル、弦楽アンサンブルに生徒が参加してくれました。

楽しい体験をした生徒は高校生になってもピアノを続けてくれているのが現状です。ゆるり、ゆるりとピアノを続けてくれた高校生達が、今年秋に1人20分ソロ演奏をして、6人でステージを作り上げるピアノコンサートを企画しています。

ステップでアンサンブル体験
音楽を伝えるには幅広い学びと経験が必要

中学生の頃に合唱部、高校、大学時代も歌が好きで声楽を習っていました。時間が出来たらコーラスを再開したい…と考えていた私に、樋口紀美子先生はお兄様でありバッハ研究家の樋口隆一先生が主催する合唱団(明治学院バッハアカデミー)をご紹介下さいました。

バッハを中心に教会カンタータの曲に触れる事で内声に耳を傾けるようになり、美しい響きの調和を味わい、バロック、古典をもっと深く学びたいと思うようになりました。

2024年6月には合唱団としてドイツのライプツィヒで行われたバッハフェスティバルにも参加して参りました。バロック楽器を使用したプロの伴奏に支えられ、バッハが活躍した教会で歌えた経験は貴重で心地の良いものでした。

音楽は心の栄養、人生を豊かにするものと捉え、それを伝える為には幅の広い学びと経験が必要ですので、これからもピアノに限らず、広い意味での音楽に関わりたいと考えています。

ライプツィヒの聖トーマス教会/樋口隆一先生と(ライプツィヒにて)
これからの目標

自分自身が音楽を更に楽しみ、それを伝える。
学び続ける姿勢は無くさず、常に柔軟な頭で考える人でありたい。
子供にはピアノを習う事で、考える力と発想力をつけられるように導く。
大人にはそれぞれの目標に合わせ、個性ある演奏が出来るように導く。
シニア世代には認知力の維持や生きがいとなる時間を提供する。
樋口紀美子先生がよく仰る「音楽で人を幸せにする」、
これが私も目指す所です。

これから受検される方へのメッセージ

私はピティナを通じて多くの素晴らしい先生方と出会う事が出来ました。指導者ライセンスを目指すことは視野を広げてくれるよい機会となります。積極的に講座の参加、受検にチャレンジをお勧め致します。

ステップでの2台ピアノ

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