Vol.60 村上紀代子先生「娘と二人三脚での受検」(2022年度全級合格)
愛知県名古屋市/正会員/名古屋中央カンタービレステーション代表/2022年度全級合格
ステップの運営を長年お手伝いさせて頂いておりました大林裕子先生から「指導者ライセンスはとても勉強になるので、少しずつでも受検されると良いですよ」と勧めていただいたことがきっかけで、受検を考えました。また先生には、「大事な生徒さんを指導させていただいているので、指導者自身も、学び続けることが大切。忙しい中でも挑戦して、他の誰かではない、強味を持った実力のある素晴らしい先生になっていただきたい」という温かいお言葉を頂きました。
実際に指導者ライセンスの内容を見てみると、とても受検項目が多くて最初は本当にできるのかと不安になり随分と悩みましたが、一念発起し、一緒に教室を主宰している娘と一緒にチャレンジすることを決めました。
生徒さんの指導しながら空いた時間の中での受検になるので、娘とも話し合い「今回は筆記試験に合格しよう」「今回は指導実技試験を受検しよう」と自分たちの出来る範囲で少しずつ挑戦しました。合格できると嬉しくなり、次のステップへと進んでいくうちに、自分自身の成長を感じることができました。途中くじけそうな時も娘と励まし合いながら受検を続けていき全級合格する事が出来ました。
筆記試験では、掛川の永田雅代先生の勉強会のグループに入れていただき、他の先生方とも一緒に勉強することが出来ました。幅広い知識が必要となり大変でしたが、勉強の仕方を教えていただいて大変参考になりました。
指導実技や演奏実技は、以前よりセミナーやレッスン見学にたくさん参加させていただき、決められた時間の中でポイントを抑えて適切なアドバイスをすることや、曲の時代背景や、素敵な音が出せるように脱力の仕方など、たくさん勉強になりました。実際の自分自身の生徒を指導する際に少しでも喜んでいただけるレッスンを目指したいという思いで取り組みました。そして、曲を解釈し、短いレッスンの中で、音として生徒さんに的確に伝えていく難しさを実感しました。
私が学んでいた時代とは違い、時代の変化により、生徒さんや保護者の感覚も変化していくので、私自身、常に勉強をしていく必要があると感じております。時代の変化がありましても、「ピアノって楽しいな、素敵だなと思いながら長く続けてもらいたい」という思いは変わらずに、レッスンをしております。
その為にリトミックや音符ビッツ、バスティンの導入教材、音楽史なども学ぶグループレッスン、アンサンブル体験など様々な方法でアプローチしています。小さい子では2歳から指導させていただいておりますが、脳科学で解明されてきた視覚と聴覚の統合の観点から、フラッシュカード、歌う、速読など五感をフルに使って豊かな感性を育てていきます。リトミックでは、リズム感を養うだけでなく、音楽を聴きながら身体を動かすことにより、運動神経、記憶力、集中力、反射神経、判断力、協調性など、様々な能力アップに繋がり、楽しみながら素敵な音楽の世界に入りやすくなります。3、4歳になってからはバスティン教材を使用して、テクニックを身につける指先のトレーニング、読譜力を身につけ自立できることを目標に繰り返し学習するなど、生徒さんの年齢に合わせて基礎力アップをしていきます。
また他の楽器とのアンサンブルの経験もしてもらいたいと思い、発表会ではオーケストラとのコンチェルト共演ができる企画をしています。このようなアンサンブルの経験をされている生徒さんは、コンペティションの課題曲を演奏する際にも、幅広い表現力に繋がっていると感じております。
自分が指導者ライセンス受検をすることで、生徒さんたちの大変さや気持ちも以前より理解できるようになり、日々のレッスンも自分なりによい指導ができるようになってきたと感じています。
また、色々な機会があることで生徒さんと一緒に成長することができると思い、2024年3月に名古屋中央カンタービレステーションを設立いたしました。名古屋中ステーションでお手伝いとして10年以上ステップの運営には携わってきましたが、今度は自分のステーションのステップとして、11月の初開催に向けて準備をしていくところです。自分も生徒さんも慣れてきて余裕ができてきたら、アンサンブルなどの企画も含め、色々と考えていきたいなと思っています。
これからもたくさんのことを学び続けることで常に前進して、今まで勉強してきましたことを生かして、常に生徒さんに喜んで頂けるよう指導していきたいと思っています。
指導者ライセンスは、項目も多く躊躇される先生もいらっしゃると思いますが、本当に幅広く勉強ができる機会ですし、生徒さんと同じ立場に立つというのは指導する上で学びの多いことなので、私のように少しずつでも頑張ることもできるので、大丈夫ですよ!とお伝えしたいです。
村上紀代子先生が指導者ライセンスを全級取得されたことを大変嬉しく思っております。
ただ「ピアノ教師」というだけではなく、指導者自らが日頃から何かに努力される姿勢が大切、と普段より呼び掛けております。
こうして実践されている姿を拝見し、「目的を持つ事が人生の柱になるのだな」と改めて実感いたしました。これからもご活躍を楽しみにしております。