『トークコンサート』で伝えたい!“フレンドリーなピアノの魅力”(執筆:石黒美有)
執筆:石黒美有
ステップにお邪魔して何よりも幸せなことは、参加者の皆さんの演奏だけでなく、自然な表情を身近に感じられることです。皆さんの演奏に対してアドバイスを書かせていただくだけでなく、トークコンサートでの演奏とお話によって「お客様との心のキャッチボール」をできる感覚が、毎回この上ない幸せな瞬間なのです。
トークコンサートには、様々な年齢の方がいらっしゃいます。プレ導入で参加される可愛いお子ちゃまから部活とピアノを両立する中高生。応援に来られたお祖父様、お祖母様まで。
コンサートでお会いできたどんな年代の方にも「音楽ってこんなに面白い、楽しいものなんだ!」「フレンドリーで分かりやすいし、ピアノって魅力的!」と思っていただけるよう、トークコンサートのテーマは必ず地元ステーションの先生とご相談しながら進めています。
ピアノからポロンとこぼれ出る音に対して、お客様の表情がコロコロと変わる度にどんどんと次のお話と演奏を続けたくなる自分がいます。トークコンサートの中で、くすっと笑えたり心が安らぐ瞬間をご提供できることが自分の中でのポリシーです。
音楽高校、大学と専門的に「演奏する」ことを学び続けてきた私がふと、「何のために練習をしているのだろう…」と、自分が音楽を学び続ける意義に疑問を持ったことがありました。イタリアでの留学時代、自分の人生に対する不安と葛藤の中で、現地開催のコンサートに来てくださるお客様と触れ合うたびに、お客様から頂く笑顔や拍手に勇気をいただき次のステップへと進めている自分に気が付きました。
聴いてくださる方々のために、作曲家からの音のメッセージを伝える「メッセンジャー」である私たちピアニスト。ピアノから紡がれる音楽によって、周りの方々が幸せな気分になっていただけるように心掛けています。
下記にこの2年ほどで開催しました、トークコンサートの「テーマ」をご紹介します♪
次のトークコンサートは、博多南夏季ステップです。テーマは「ピアノトリオ(ピアノ+バイオリン+チェロ)」。音域や音色の違う他楽器との「楽器同士のお話し合い」が見えるようなトークコンサートにしたいと考えています。
普段はなかなか触れることができない、ピアノ以外の楽器の音色を聴くことにより、ピアノを弾くだけでは湧くことのない、子どもたちのためのインスピレーションや想像力、イノベーションの力になればと思っています。
そんなトークコンサートや日々のレッスンを通して「音楽・ピアノは生涯を通して心の拠り所」と思ってもらえるような「心に訴える指導者」になれたら幸せだなと思います。ピアノは「上手に弾ける人」のためだけの楽器ではなく、赤ちゃんから大人まで、誰もが触れれば音が出る素敵な楽器です。「簡単で楽しいな」と思える出会いから「継続できて上手くなっている実感がある」、そして「弾くのも聴くのも幸せ」と思える大人に、私と出会う誰もがなってくれたら嬉しいですね。人生のどんなタイミングで出会っても、ピアノと最高の友達になれる指導者になりたいなと思います。