ピティナ・指導者ライセンス
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Vol.55 辻延江先生「先入観からの脱却」(2022年度全級合格)

合格体験記
vol.55
辻延江先生

大阪府寝屋川市/正会員/2022年度全級合格

コロナ禍がきっかけでライセンスを受検

指導者ライセンス受検を思い立ったのは、コロナ禍がきっかけでした。レッスンもままならなくなってしまった頃に、池川礼子先生による指導者ライセンスの説明会に参加し、その後池川先生のお誘いで筆記試験の勉強会に参加する機会を得ました。筆記試験申込締切の1週間ほど前で、受講者の方々がそれぞれ曲を持ち寄り、皆で意見交換をしてという、想像以上に内容の濃いものでした。これはすごく勉強になるなと思い、すぐに申込み勉強を始めました。

オンライン受検と実地受検の違い

コロナ禍だったため、ほとんどの試験をオンラインで受検しました。上級の演奏実技を受けようとした時に、録画では何度でも撮り直しができてしまうのできりがないと思い、初めて実地受検をしました。会場では他の先生方の演奏も聴けて、このくらいできないといけないんだ、という感覚も分かって非常にためになったので、それ以降は残っている指導実技なども実地で受けることにしました。

時節柄、勉強会やセミナーに皆で集まって勉強する、ということができなかったので、筆記の勉強はeラーニングと池川先生のオンラインの勉強会で学び、指導実技は出た課題を自分でアナリーゼして弾いてみる、というような、言わば自分の殻の中での勉強が主でした。ピティナのことを紹介してくださった小嶋浩子先生に演奏実技を聴いていただいたこと、2度ほどレッスン動画をLesson Check Upに出して、金子勝子先生からアドバイスをいただけたことなどが、貴重な機会でした。

指導実技は、初級はオンラインで受けていたので、中級と上級を実地で受けた時に、初級の方も見学させていただきました。他の方々の指導を見たことで、自分が小さいお子さんも中学生も同じように「人対人」という態度で接してきていたことに気づき、教え方も褒め方も、年齢相応の子ども目線のレッスンというのを考えるきっかけになりました。

池川礼子先生と指導者ライセンス表彰式にて/コンクールにて
小さい頃から和声的観点を導入する

指導者ライセンスを受検したことで、譜読み一つでも、もっとこだわるようになりました。筆記試験や指導実技のことを思い返しながら、日々のレッスンの曲も課題と同じように細かく考えてみる習慣ができました。

レッスン風景

また、以前は和声のことは学んでいない子に言っても理解しにくいだろうと先入観で決めつけてしまっていましたが、他の先生の指導で、小1の子に対しても和声の観点から説明をしているのを見て、ただ楽譜を追って説明するのではなく、小さいうちから和声の観点をもって音楽の流れを説明することの大切さを感じました。以前は全部自力で読譜してきてもらうようにして、模範演奏なども後でしかしないようにしていたのですが、今は導入の段階で、題名について考えたり、関連する絵や色でイメージさせたりと、ただ弾くだけではなく、もっと準備に時間をかけて、年齢にあった和声感の伝え方を工夫するようになりました。

発表会の小さい生徒さんの合奏
これからの目標

ここで勉強を止めることなくもっと高めていきたいと思っています。ベテランの先生方のレッスンを拝見して、自分のレッスンを繰り返しているだけでは絶対に行き着かないレベルの差を感じました。アナリーゼ、筆記の勉強を続けるだけでなく、色々な先生方のセミナーやレッスンを拝見して、将来的にはそうした大先生方のようなレッスンができるようになるのが目標です。

演奏面でも、4年ほど前から重力奏法を学び、良い響きでの演奏を目標にレッスンを続けています。生徒さんたちに反映出来るよう、研鑽を積んでいきたいと思います。

地元のNEYAGAWAはちかづきステーションでも立ち上げの頃から活動していますので、ステップの運営にも関わりながら、地域の先生方の繋がりを広げていけたらと思っています。

ステーションの先生方、アドバイザーの先生方と
これから受検される方へのメッセージ

一人で勉強するには限界があるので、勉強会には積極的に参加されるとよいと思います。試験も実地が再開しているので、ぜひ実地受検をお勧めします。他の人の演奏やレッスンを見ることや、審査員の先生の全体への講評も絶対に自分のためになると思います。チャレンジすることはとても大事だと思います。また、自分の今まで学んできた事の再チェックにもなります。ぜひ挑戦してみてください。

発表会での室内楽企画

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