ピティナ・指導者ライセンス
X
youtube

開催レポート:池川礼子先生&石井なをみ先生直伝!コンクール活用術

今回のテーマは「コンクール指導の向き合い方(コンクール活用法)」です。
生徒さんへの具体的な指導法、課題曲の選び方、そして保護者対応などをコンクール指導、審査の経験が豊富な池川先生、石井先生にお話いただきました。また、事前にいただいた質問を中心に参加者の疑問にもお答えいただきました。


池川先生

本来コンクールの目的は指導者の指導力アップのためにあるものです。

「通過するため」というより、「 指導者が勉強したことを生徒さんの演奏に還元できるか 」が重要であり、いつも反省しながらそれを何年も繰り返すことで、指導者として成長させていただきました。また、審査員の経験も指導力に大きく結びついていると思います。素晴らしい曲が課題曲となっておりますので、生徒さんと一緒に勉強して、 恐れずにコンペに挑戦して欲しい です。

現在は通過の可否に関わらず、4期の曲を披露する機会が与えられておりますし、コンペの曲を演奏できるということは、 良い指導を受けているという確認 にもなり得ます。

石井先生

私もコンペで育てていただきました。初めて生徒さんが全国大会に出場(F級)したことをきっかけに、西日本F級の演奏をを聴きに行くようになりました。

全国大会に出場できる生徒さんを継続して育てるために、自分の耳で演奏を聴き研究を3年続けた結果、耳が段々肥えてきた経験から「 指導者の耳を鍛える 」ということが最も重要だということを実感しました。演奏を判断出来る耳を指導者が作ることが大事ですので、積極的に聴きに行ってほしいと思います。

生徒さんとの向き合い方としましては、 必ずコミュニケーションをとりながら、本人がやりたい曲をえらんでもらうよう にしています。やりたくない曲を無理やりやらせたところで結局うまくいきません。 保護者との関わり方も距離を考える必要があります 。子どもの前を歩く保護者はうまくいきません。サポートはお願いするが、中身には入ってこないでもらうくらいの距離感が必要です。 最終目標は「自立」 です。それを目標に生徒さんを育てていくことを常に考えております。

◆ Q&A

保護者は練習に付き合った方がよいのでしょうか?

池川先生:B級までは先生と生徒さんの通訳としても一緒に付き合ってもらう必要があると思います。ただ、お母さんが先生以上になられると困るので、そうならないように都度お声掛けはしています。あくまでも 生徒さんの自立 が目標です。

石井先生:一人でレッスンを受けるようになると、進度が落ちるタイミングがありますが、それは誰しもが通る道なので心配ありません。「自立」を長いスパンで考えてみると、言われたことをきちんとこなせるけど自分がない優等生より、 自分の意志で演奏できる生徒さんを育てるべき だと思います。
失敗は経験の始まり です。試行錯誤しながら自分で計画出来るようになるまでは約1年かかります。ただ、この方法は中学生になったときに勉強や私生活にも役立ちますし、自分のペースで進められるので保護者が口を出さなくなってきますので、とても効果的です!

(ピティナ・ピアノコンペティション課題曲について)4期の曲を弾きこなすポイントを教えてください。

池川先生: 沢山弾くことが楽しい! という気持ちに持っていく必要がありますね。 私の場合、小さい子はご褒美が必要なので、合格を1点として見える化(移調奏も1点)して、500点でぬいぐるみがもらえる制度で進めています。 最初はご褒美のためにという目的でいいので、 モチベーションを維持してもらうように誘導 するといいと思います。


レッスン・レクチャーは初めての試みでしたが、30名の指導者の先生方にご参加頂き、大変有意義な回にすることができました。池川先生・石井先生、ありがとうございました!

【広告】