ピティナ・指導者ライセンス
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Vol.50 宮本祥子先生「先を見据えたバランスよい指導を」(2021年度全級合格)

合格体験記
vol50
宮本祥子先生

広島県広島市/正会員/2021年全級合格

音大の知識を実際にどう生かしていくか

2014年にピティナの指導会員に入会した際に、沢田菊江先生に指導者ライセンスの取得をお誘いいただき、2016年から筆記試験を受検し始めたのがきっかけでした。音大を卒業したばかりで、実際にその知識をどう生かしていけばよいのか、試行錯誤の日々でしたので、自分に足りない点を学び直せるのではと考え、チャレンジを決めました。

当初はまさか全級取得しようとは思っておらず、その時の自分に無理のない範囲で、興味のあるものにチャレンジしていました。試験の際に審査員の先生に「とても良かったわよ」と声をかけていただいたことが励みとなって「せっかくなら全級目指そう!」とエンジンが掛かったのが2019年ごろ、そして2021年に全級合格に至りました。ですから足掛け5年間、期間は他の方と比べると受検期間は長かったかもしれません。

上級指導を見据えて、初級・中級の指導を逆算する

筆記試験に関しては、出題の範囲をしっかりと学び、自分の中でうやむやな点が無いよう整理をしました。学生の頃に学んだことでも、意外とうやむやになっている点があったことに気づき、それらをより深く掘り下げて理解する手助けになりました。

指導実技では、筆記試験や講座の内容からポイントとなるのはどこなのかを意識して取り組みました。中級以降の演奏実技は地元の恩師である濱本恵康先生にアドバイスを頂きました。

指導実技とレポートのために、レッスン見学制度を利用したり、全国の講座に足を運んだり、eラーニングも活用して様々な講座を受講して学びました。その過程で幅広い視点での指導法を知ることができ、本当に視野が広がりました。音は生ものだと思っているので、実際のレッスン室へ見学に行くことが大事だと思い、レッスン見学へはコロナ以前に8回行きました。根津栄子先生や金子勝子先生、江口文子先生のレッスンがとても印象に残っています。

金子勝子先生のレッスン

eラーニングで特に心に残っているのは、上級講座の横山幸雄先生やクラウディオ・ソアレス先生のアドバイスレッスンの動画です。内容としてはとても難しかったと記憶していますが、そこを見据えて、初級・中級ではどのような点に留意するべきか逆算して考えることで、必要なポイントを自ずと見出していけたかなと思います。

演奏、知識、指導をバランスよく身に着ける

指導者ライセンスの試験内容はとてもよく考えられていて、バランス良く学ぶことができると感じました。演奏、知識、指導はそのどれもが互いに影響を与え合っていると思いますので、それらをひとつひとつ磨くことで、指導者としての全体のスキルが向上すると感じました。

ライセンスの受検を経て、レッスンにおいて、特にコンクールに参加する生徒さんへの伝え方がより明確になり、ポイントを絞って確信を持って進めることができるようになり、結果にも結び付いているように感じます。 また、自分自身が演奏する際も、よりはっきりとした解釈を考えられるようになり、練習が一層楽しくなりました。

これからの目標

試験を受けたことで、バランスよく指導をすることがとても大切であると感じました。年齢や、取り組んでいる作品に対して求められる力は様々ですが、それぞれに応じて、バランスよく力を付けていくことが、より良い演奏に不可欠だと思いました。

例えば、よく弾けているけれど、知識不足により説得力に欠けていたり、知識はあるけれど、それを表現する為のテクニックが不足していたり。他にも、コンクール曲ばかりに取り組むことで、基礎的な訓練や先を見越した準備が不足していたり、といったケースもよく見受けられます。

限られたレッスン時間の中で、一人一人をよく見て、先を見据えたバランスの良い指導を心がけていくこと、そして何より私自身も常にチャレンジして、演奏に磨きをかけ、学び続けていくことを今後の目標としたいと思います。

まだまだ私も知らないことがありますし、指導の可能性、演奏の可能性は無限だと思いますので、今後も積極的に学んでいきたいと思っています。

これから受検される方へのメッセージ

全級取得の道のりはとても長いように思えますが、チャレンジすることで視野が広がり、悩みや迷いがどんどん無くなっていくと思います。一人で教室を運営されているピアノの先生方は、時に孤独を感じることもあると思います。しかし試験を通して、多くの先生方、先輩の先生方が絶えず熱心に学ばれている様子を見ることで勇気が湧いてきますし、温かいアドバイスで背中を押していただけます。

そして、全国各地に知り合いの先生ができるのもとても楽しいことです。全国大会の会場で、共に学んだ仲間に会えた時は、喜びもひとしおでした。試験にチャレンジした先には、きっとより一層、「ピアノを教える」という道に誇りを持ち、幸せと感動を感じられる指導者に成長していることと思います!

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