ピティナ・指導者ライセンス
X
youtube

Vol.42 伊藤里香先生「レッスン見学から室内楽の世界へ」(2021年度全級合格)

合格体験記
vol.42
伊藤里香先生

東京都府中市/指導会員/2021年度全級合格

レッスン見学がきっかけで室内楽を始める

アンサンブルが好きで、引っ越しをする度に連弾相手を探して連弾をしていました。ある時東京での連弾相手からピティナのコンペティションに誘われ、それを機にグランミューズ部門のDカテゴリーに参加し、その後ソロにも参加するようになりました。コンペのためにいくつか曲を仕上げたので、いつか取得できたらと漠然と考えていた指導者ライセンスへの挑戦をしてみることにしました。ライセンスの試験を実際に見学してみて、年代もレベルも様々な方が受けていて、自分も場違いではないと感じることができたのが、受検の決意につながりました。

ライセンスの科目にレッスン見学があり、前々から気になっていた故・多喜靖美先生の室内楽のピアノレッスンを初めて見学したのが2019年12月2日でした。レッスン見学の後のランチ会にも参加し、レッスンの雰囲気や受講生の方々の様子に惹かれ、また私と同世代の受講生も多いと聞き、思い切ってジャスミン音の庭ステーションの室内楽講座を受けることにしました。まさか自分に室内楽ができる日が来ると思っていなかったのですが、今はとにかく室内楽が楽しいです。それまではホームページなどでジャスミンの室内楽の事を知り気になってはいたものの申し込む勇気がなかったので、ライセンスのレッスン見学がなければこの楽しみには出会えていなかったと思います。

室内楽では色々と気づくことがあり、楽しいので生徒にも体験して欲しいと思っていました。すると私の話を聞いた生徒たちも室内楽に興味をもち、この夏は5人の生徒が室内楽講座に参加しました。ジャスミン音の庭「プレジュニアクラス」は特別に選ばれた生徒だけでなく普通にピアノを習っている生徒でも参加できる雰囲気が気に入っています。生徒たちは過去に発表会で私と何度か連弾をしていたので、初めての室内楽でも弦の音が聴けたようで嬉しく思いました。弦楽器は奏法の違いからか音の出し方やメロディの歌い方へのこだわりが強く、音楽の考え方や表現の仕方がピアノのレッスンで言われることと全く違うので、生徒だけでなく自分もとても勉強になり、ともにいい影響を受けています。

コンペや連弾、室内楽講座、そして指導者ライセンスにと挑戦し続けていることで、自分自身がわくわくしたり楽しく感じたりする感覚を生徒に伝えられていると思います。ステージという非日常空間に立つことはとても緊張感があり、そこには苦しみもそれを上回る楽しさもありますが、自分にもそうした機会があることは、レッスンにも緊張感を与えている気がします。また本番までの準備は、生徒がグレードや発表会に参加する時の準備の仕方や心構えを伝えるのにも役立っていると思います。

オリジナルのレッスン教材づくり

ライセンス試験の後の懇談会もとても印象に残っています。受検にいらした先生方は、もっとよいレッスンをしたいという前向きな姿勢の先生が多く、刺激を受けました。私自身、レッスン代をいただいている以上、自分が親の立場だったとしても納得ができるレッスンをしたいと思 っています。自分自身はその時点で一番いいと思う方法でレッスンをしていても、他の先生方のレッスンを見るとさらにアプローチの仕方が様々で、とても勉強になります。セミナーで学んだことやアイディアはす ぐにレッスンで実践してみることも多いです。

オリジナルのレッスングッズ

また、生徒にどうやったら分かりやすく伝わるかを考えて教材を作ることが楽しく、セミナーで学んだものを取り入れるだけでなく、自分でもたくさんレッスングッズや教材を作りました。「シャープは音が上がる、フラットは下がる」を分かりやすく子どもに伝えるには文字で表すよりも動画の方がおもしろいと考え、iPadで簡単な動画をつくったのをきっかけにその後いくつもの楽典絵本を作ってYouTubeに載せています(虹色ピアノ絵本)。CLASSY.という雑誌にも紹介していただきました。「子どものための4分休符の書き方」「おんぷのうた」「シャープとフラットとナチュラルの小さなお話」などの動画は、小さい生徒さんと一緒に見たりレッスンでピアノを弾きながら歌ったりしています。

ストリートピアノでの発表会

私の教室の生徒には、コンクールを目指すよりも自分の好きな曲が弾けるようになりたい、音楽を自分で楽しめるようになりたい、音楽のある生活をしたい、というスタンスで習いに来ている方が多いので、発表会代わりに活用しているステップでは千本桜やスプラトゥーンなどのゲー ム音楽を弾く生徒もいます。

昨年、教室のホームページ経由で、府中の商業施設「くるる」のストリートピアノで発表会をしないかというお話があり、今年の1月に開催しました。ショッピングセンターの、人が多く行き交う広い吹き抜けの空間に置いてあるアップライトピアノでした が、ストリートピアノでの演奏は子どもたちの憧れだったようで、発表会にはとても喜んで参加してくれました。

プログラムは聞いてくれる人が楽しめるものがいいと思い、ポピュラーな連弾曲を中心に、ぐるぐるピアノや猫ふんじゃったの曲に合わせてのカップスなど、目で楽しめるものも取り入れて企画しました。10年くらい発表会に出ていなかった高校生の男の子も、実はYouTuberのストリートピアノの動画が好きだったことから、久しぶりにストリートピアノの発表会に参加してくれてお母さまもとても喜んでいらっしゃいました。こうして気軽に参加しやすいステージの機会も活用できたらと思っています。

これから受検される方へのメッセージ

私がライセンスから学んだことは、教え方は1つではなくたくさんの方法があるということです。自分でもセミナーで学んだりいろいろ工夫をして生徒に伝える方法は日々研究しているけれど、自分の感覚と違うレッスンの仕方を知る事で視野が広がると思います。

日々のレッスンに新しい何かを取り入れたいと思っている先生や自分のスキルアップをしたいと思っている先生にとってもライセンスは良いきっかけをくれます。もしも、ピティナのライセンス試験は敷居が高いと思っている先生がいらっしゃったら一度実技試験の見学に行ってみる事 をおすすめします。

指導していただいた金子勝子先生と

インタビュー一覧へ

【広告】