Vol.30 中川麻里子先生「生徒の気持ちに寄り添う指導を」(2020年度全級合格)
広島県広島市/指導会員/2020年度全級合格
沢田菊江先生との出会いが、指導者ライセンスを受けるきっかけとなりました。
当時はまだ経験が少なかった私は、ピアノ演奏はある程度はできていましたが、それを生徒に教えることにはまだ迷いがありました。レッスンのポイントがおさえられず、レッスンを時間内に終えることができなかったり、私自身も生徒の上達が感じられなかったりしていました。
「何かを変えなければ」という思いが私の中に強くあったそんな時、前向きな沢田先生のお言葉に背中を押され受検を決意しました。
普段は小さな生徒が多いため、上級の指導実技はとても難しかったです。曲を細かく分析したり、その分析をもとに何度も自分で弾いて練習しました。
レッスン曲が初級・中級指導に比べて長いこともあり、(最初の)指導者ライセンスの受検当日は指導するポイントがまとめられず、自分の中で納得いく結果とはなりませんでした。その時は、自分の力をただ思い知らされました。あの忘れることのできない苦い経験があったため、今も毎回のレッスンは自問自答しながら取り組んでいます。
レッスンで指導したいポイントはたくさんありますが、「何を優先的に指導しないといけないのか」「どの指導が今の生徒にとって一番大切か」を瞬時に把握し、言葉で伝えることができるようになりました。
だらだらと長く伝えても生徒は課題をこなすことができないし、それを覚えきれないので、「今日の指導のポイントはここだ!」と焦点を当てた指導を心がけて指導するようになりました。これらを意識するようになったのは、「短時間で指導をする」という指導者ライセンスの受検経験があったからだと思っています。
沢田菊江先生には指導者ライセンスを受け始めた時から教えて頂いています。現在のモチベーションは「とにかく良い先生になりたい」という気持ちから来ています。
先輩のピアノの先生のレッスン見学にたくさん行かせていただきました。とにかく素晴らしい先生方ばかりで、先生方の教える技術はもちろん、人間性も素晴らしく、「あんな先生になりたい」と私は憧れてばかりでした。生徒の演奏を魔法の様に変えて「すごく素敵になったね!」と生徒と喜んだり、生徒の気持ちに近く寄り添うような指導をされていました。私も生徒と音楽を通じて泣いたり笑ったりしながら、素晴らしい経験を一緒にしていきたいです。
指導者ライセンスの受検期間はとにかく必死に全級の合格を目指していました。現在も指導者ライセンスで得た経験を日々のレッスンで生かすことで、少しずつですが思い描く理想の先生に近づけているかなと思っています。
自らの意思をもって演奏できるような生徒をたくさん育てていきたいです。先生から言われたことばかりではなく、「自らこのように弾きたい!」と思えるように、基礎をしっかりと固めた上で、生徒が自分の音楽を表現できるようなレッスンを心がけたいです。
そんな自己表現ができるピアノが大好きな生徒が増えることが、私にとっての幸せであり、そんな先生に憧れています。
ピアノの先生を続けられる方は、ぜひ指導者ライセンスを思いきって一度受けてみてください!
必ず何かしら自分が変わります。レッスンについての考え方や生徒との関わり方も変わります。大人になってからの試験は目標がしっかり定まっているので、意外と楽しいものです。受検勉強を頑張る分、合格した時の達成感もあります!