ピティナ・指導者ライセンス
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Vol.22 青木春果先生インタビュー(2019年度全級合格)

合格体験記
vol.21
青木春果先生

静岡県下田市/指導会員/2019年度全級合格

教室を開く前に、できるだけ多く学んでおきたい

地元でピアノ教室を開くことは以前から決めていたのですが、その前に学べることはできるだけ多く学んでおきたいと思っていました。高校時代からの恩師の沼田薫先生から指導者ライセンスのことを教えていただき、「自分の教室を開く時に、必ずあなたの武器になるから」と背中を押していただきました。沼田先生のレッスンに通いながら、リトミック指導も含め様々な講習会や勉強会に足を運びました。また、松枝由紀子先生のピアノ教室で講師としてお世話になり、教室を運営する力、レッスンで大切にすべきこと、生徒さんや保護者の方とのコミュニケーションの大切さ等、様々なことを学ばせていただきました。

2020年3月に全級合格した後に4月より念願のピアノ教室を開業しましたが、少子化に加え、まさにコロナ禍真っ最中でのスタートで、生徒募集には苦戦しました。この春には、小さい頃からお世話になっていたお教室のベテランの先生方と、初めての合同で発表会をさせていただくことになりました。

レッスン風景
様々な角度からシミュレーションをしてリベンジした指導実技

ライセンス受験の中で一番大変だったのが指導実技でした。コンクールなどに向けてしっかり練習した曲を弾くモデル生徒さんも多く、正直なところ、混乱させてしまったらどうしようというプレッシャーも強くありました。普段のレッスンや体験レッスンにも言えることですが、10分という短い時間で上手になったことを実感してもらうためには、アドバイスの優先順位を瞬時に判断しなければなりません。まだ慣れない2回目の指導実技の時、焦りと緊張から時間配分が上手く出来ず、言いたかったこと、言うべきだったことをほとんど言えないまま終わってしまったことがありました。その後の試験で偶然同じ曲を指導することになり、リベンジと思ってあらゆる状態を想定して臨みました。

沼田先生からのアドバイスで、まず自分で演奏し、その演奏に対して生徒がいるつもりで10分間レッスンする、という練習をしました。実際の課題曲が分かるのは約1週間前ですが、どのような曲でも話し方や時間配分のシミュレーションは必要だと思います。講評で「ピアノ講師は他楽器講師と比べると早口の方が多い傾向にあります。」というアドバイスを頂いたことを思い出し、当日は初対面の生徒さんに10分という短い時間でレッスンしなければならないという緊張から、さらに早口になりやすいと思い、気を付けて話すようにしました。

また、モデル生徒さんの反応速度、完成度によるアドバイスのポイント、コミュニケーションの取り方等、色々な場合をシミュレーションしてみました。よく弾けていて反応が早い生徒さんならこの辺りはもっと踏み込んでいいかもしれない、逆に譜読みを終えたばかりでこれから表現を磨いていく生徒さんならば絶対にやっておきたい箇所、といった大まかなビジョンのほか、生徒さんの状態次第で対応できるよう、細かい点の練習方法等を色々考えて準備をしました。

課題曲が発表されてからは、細かく楽曲分析をしながら実際に自分で弾いてみて、生徒が困りそうなポイントと解決策、それについての伝わりやすい言葉選びを考えました。自分で弾く他にも、YouTube等で子供の演奏を色々と聴いてみたり、偶然近所から同じ曲の練習が聴こえてくると、自分だったらどうアドバイスするかと考えてみました。実際に当日指導したのは別の曲になりましたが、良い心構えができたと思います。まだまだ完璧な指導とはいきませんでしたが、この過程で成長することができたと感じています。

先生として伝えたいことが伝わる演奏を

演奏実技もとても勉強になりました。他の受験者の方の演奏を聴いていて、先生自身が楽しそうに演奏する様子がダイレクトに伝わる先生、頭でよく考えてきたものを丁寧にきちんと弾く先生、というように、その先生の個性や様々な長所が見えてきました。私は上級と中級は一回で合格しましたが、初級で失敗しています。子供が弾くような技術的に難しくない曲でも、油断してはいけません。「こんな風に弾けるようになりたい。」と思ってもらえる、身近なところから感動を伝えていけるのが理想だと思っているので、練習や心の準備はもちろん、何をどう伝えたいのか、先生としての演奏はどうあるべきなのか、という意識も大切だと思います。初級の曲もきちんと弾こうと思えばどこまででも極められます。自分が練習する中で、やるべきポイントがたくさん見つかるということは、子供の生徒にもできること、やるべきこと、上を目指せることがたくさんあるということだと悟りました。

レッスン風景
知識として知っているだけでなく、人に伝わる文章を

レポートは時間をかけて納得のいくものを仕上げて提出できるので、ある意味安心感はありましたが、だからといって先延ばしにしてしまうのも良くないので、自分で期限を決めて取り組みました。知識として知っているだけでなく、人に伝えるために分かりやすい言葉選びと適切な文章量でまとめることになるので、自分の意見をしっかり見つめなおしながら熟考しました。

受験される方へのメッセージ

全級合格を目指して努力してきましたが、合格はゴールではなく、指導者としての通過点だと思っています。審査員の先生方から頂いたアドバイスや、受験を通して勉強したことを生かし、指導者として成長を続けていきたいと思います。指導実技で失敗してしまった時も、審査員の先生方は挑戦した勇気を認め、反省する気持ちを褒めてくださいました。これから受験される方も失敗を恐れずに是非一歩を踏み出していってほしいと思います。

これからの目標

今はようやく生徒が集まってきた教室ですが、ライセンス受験で徹底的に楽曲分析をしながら向き合ったように、一人一人のレッスンを大切に、準備を怠らずに指導していきたいと思っています。まだ始めて間もない生徒さんたちですが、これからも長く続けて色々な曲にチャレンジしていってほしいと思っています。普段やんちゃな生徒さんに発表会の候補曲を弾いて聞かせてみたときにも、とても気に入って「先生みたいに弾けるようになりたい。」「こんな曲を弾いてみたい。」と喜んでくれました。音楽の楽しさを忘れずに色々な技術や表現を身に付けていってほしいと思います。

新宿×響ステーションも松枝先生が立ち上げたころからお手伝いしています。松枝先生は本当にエネルギー溢れる先生で、参加者同士の交流などを企画されたり、ステップに参加するだけでは分からない運営側のお気遣い等、たくさんのことを学ばせていただいています。立ち止まらずに色々なことを取り入れ、企画される姿勢を見習いたいと常々思っています。

新宿×響ステーションの先生方と(左上:青木春果先生、左下:松枝由紀子先生)

今はピアノ教室の他に、小中学校でお世話になった音楽の先生からのお誘いで、中学校の支援員という形でも子どもたちの教育に関わっています。特に音楽に限らず、学習や学校生活全般での支援を行っていますが、昼休みに生徒たちと一緒にピアノを弾いて交流したりしています。流行りの曲や好きな曲についておしゃべりをしながら、簡単な伴奏形を教えたり、クラシック曲を弾きながら簡単なクイズを出してみたりしています。きらきら星の伴奏を全部ドソミソで済ませてしまっていた生徒さんに、「ここをこうするともっと良くなるよ。」と正しい和音を教えた時、「たった3つの和音でこんなに変わるんだ!」と感動していました。それ以来生徒さんの方から「先生教えて!」と言ってくるようになりました。また、勤務を始めたばかりの頃、授業内だけではうまく対処できなかった生徒が、一緒にピアノを弾いた日から心を開いてくれた様子で、だんだん前向きな気持ちで授業に臨んでくれるようになりました。ピアノ教室に通ってくる子以外とも、こうして音楽で交流することを通して、人と人をつなぐ音楽のすばらしさを実感しています。

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