ピティナ・指導者ライセンス
X
youtube

Vol.10 太田洋子先生「学びは財産」(2018年度全級合格)

合格体験記
vol.10
太田洋子先生

愛知県春日井市/正会員/2018年度全級合格

指導者ライセンスとの出会い

「こんなのがあるんだね。受けてみたら?」と、ピティナのホームページを見ていた夫が記事を見せてくれたのが指導者ライセンスとの出会いでした。師事していた大林裕子先生に相談した所、ちょうど先生が名古屋での指導者ライセンス立ち上げを計画されていた所で、ぜひやりましょうということになりました。

すぐに既に実施している地区の指導実技の見学に行き、石井なをみ先生のライセンス説明会にも足を運びました。実際にどのようなものかイメージを掴むことができました。

たくさんのステージ経験が演奏実技の自信に

2016年4月の名古屋中ステーションでの指導者ライセンス初回で、演奏実技と指導実技を受検しました。実は私は、ピティナのステップには2009年から、コンペティションには2011年からと、約10年に亘ってステージに立ち続けていて、来年還暦での100回表彰を目指しています。ですから、演奏に関してはたくさん経験があり、暗譜も含めてステージへの不安はありませんでした。

指導者パスポートと継続80回表彰の盾と一緒に

ところが実際に受けてみると、初級の演奏実技が一番怖かったです。音がシンプルな曲ほどごまかしがきかず、ステージでの演奏が難しいことを再認識させられました。

ステップやコンペティションの活用

指導者ライセンス受検の前にも、初級と中級はそれぞれ通して、上級は2回に分けて、必ずステップで受検曲を演奏するようにしました。これから受験される方にも、ライセンスの本番で一発勝負はしないで、必ず一回はステージを踏んでから受検されることを、強くお勧めしたいです。

また、演奏するだけでなく、ぜひともコンペティションのグランミューズ部門を聴かれるとよいと思います。特にBカテゴリーに参加されるアマチュアの方々の意識の高さ、レベルの高さには、刺激を受けること間違いなしです。

苦手な筆記試験も、勉強会を通じて「知る喜び」に

学生時代から、筆記試験の類は大の苦手でした。でも、既に指導者ライセンスを全級合格された知り合いの先生が、筆記での勉強のポイントをまとめてくださったり、掛川の永田雅代先生がライセンスの勉強会を始めるという情報を教えてくださったりとサポートしてくださいました。大抵のピアノ指導者は、孤独の中でどうやって勉強をすればよいか分からないのが本音だと思うので、とても助けられました。

永田先生とは、初回の筆記試験の後にお話して、ものすごい知識量に圧倒された所でしたので、ぜひお願いしたいと、勉強会に参加するようになりました。それで、2回目からは、東京での秋山徹也先生や西尾洋先生のアナリーゼの講座と、掛川の永田先生の勉強会の、2本立てで臨みました。また、よく知らない作曲家や音源については、ピティナ・ピアノ曲事典が大変役に立ちました。

そのおかげで、本で調べただけでは漠然としていたこと、不安だったことも、もう一度勉強し直して、知識として吸収できるようになり、「知らないことを知る喜び、楽しさ」を感じるようになりました。

筆記試験のための勉強ノート
先生への師事、ステージ演奏を続けていることの強み

普段から大林先生のレッスンを受け、ステップやコンペティションに参加していることは、レポートや指導実技にも役立ちました。1200文字のレポートを書くことは大変でしたが、テーマを選ぶことに関しては、普段のレッスンやステージでの経験から出てくるものがあり、苦労はしませんでした。

師事している大林裕子先生と

また大林先生の指導は素晴らしく、先生の所へ通う度に、私は先生をやめてしまおうかと思うほどですから、先生からの指導そのものが、私が指導する上でも常にいいお手本となっています。

全級合格後には、ライセンスの説明会で体験談をお話する機会をいただきました。説明会の後、話を聞きたいと残られた先生方の中から、ライセンスの受検に向けて私に師事したいとの申し出がありました。素晴らしい先生方がたくさんおられる中「私でいいの?」と聞いたところ、ライセンスの受検経験がある先生の方が気持ちを分かってもらえるからとのことで、お受けしました。それから、永田先生の勉強会へ一緒に行ったり、ステップやレッスン見学への参加を勧めたり、選曲の相談に乗ったりと、経験上から伝えられることをやってきました。

指導者ライセンス受検から得たもの

指導者ライセンス受検を通して、一番の変化は、生徒への言葉がけが増えたことです。もともと指導に関して、適当なことや大雑把なことはしたくない、1曲ずつ、1人ずつ丁寧に、というのが私のモットーでしたので、漠然とした知識ではなく、幅広く身についた知識を、自信をもって教えられるようになったことが大きな収穫です。

また、受検勉強を通して、ステップやコンペティションの演奏仲間とはまた違う、共に学ぶ指導者の仲間ができました。一人じゃない、一緒に向かってがんばっている人がいるということ、そしてそのネットワークを通じた助け合いを、心強く感じました。

指導者ライセンスを受ける方へ―学びは財産

指導者ライセンスのことをお話すると、「今更...?」「もし不合格だったらどうしよう?」というお声を聞きます。でもそんなことを悩むよりも、まず取り組んでみたらよいと思います。「取り組もうと思った気持ち」自体が価値あることです。そして、受けた人しか分からない苦しみを経た後の「やったらできるという自信」は、その後の指導にも演奏にも必ず力になりますし、「やってよかった」と本人が思えれば、もうそれで成功なのだと思います。

何より「学びは財産」です。必ずやっただけ自分の身になります。ライセンスがきっかけで、演奏に関しても勉強に関しても、学び続ける人が増えるといいなと思います。指導者ライセンスには「いつまで」という期限がないので、自分のペースで受けられるとよいですね。

演奏だけでなく学び続けてると その都度 課題見つかり葛藤もありますが 充実した日々を過ごしています。「継続は力なり」 なのでピアノだけでなく 人としても成長していけるようにと思ってます。それが 音色にも表現されますから...

インタビュー一覧へ

【広告】