ピティナ・指導者ライセンス
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Vol.5 永田雅代先生「上級の内容も全てに応用できる」(2010年度全級合格)

合格体験記
vol.5
永田雅代先生

東京都/指導者検定全級合格(2010)、ピティナ正会員、ステップアドバイザー、指導者賞(14回受賞)※2014年度実績、ヤマハシステム講師

永田先生は、20年以上前からコンペティションに、また、2001年からはステップにも生徒を参加させ、1996年に指導者賞初受賞。その後も実績を積み重ねられ、ステップアドバイザーとして各地でご活躍の他、掛川支部でコンペティション・ステップの運営に尽力され、2010年に指導者賞を受賞されました。指導者賞も現在、14回受賞されていらっしゃいます。
指導者検定を受検される前にすでに多くの実績があり、ヤマハシステム講師としてご活躍の永田先生がどのようなきっかけで受検され、現在どのようにピアノ指導と向き合っているのか、お話を伺ってみました。

指導者検定を受けたきっかけについて教えてください。

ヤマハシステム講師は、様々なグレードを取得する必要があります。ピアノ・指導・エレクトーンとグレードがあるのですが、全て取得したので、次の目標を探していたところ、ピティナの会報誌で「指導者検定」について知り、受検を決意しました。

指導者検定には、ヤマハグレードにはない、「指導実技」という実際のレッスンを審査員に見てもらう試験項目があり、それが一番勉強になりました。自身が試験官になることは増えたのですが、見てもらう機会はなかなかありません。金子勝子先生の指導者としての観点や樋口紀美子先生のピアニストとしての観点など様々な観点からの講評が嬉しかったです。

どの試験が大変でしたか?

演奏実技が大変でした。上級演奏実技では、平均律が課題になっているのですが、フーガの演奏はとても緊張しましたね。昔は試験で必ず演奏しなければならなかったので(しぶしぶ)演奏していましたが、現在では平均律を弾かなければならない状況はめったにありません。私はこんなに弾けなかったかしら・・・と思うぐらい本番で混乱した演奏になり、2回ほど落ちてしまいました。受け始めた頃は、「もう無理だ」と思いましたが、そこは意地ですね。合格するまで頑張りました。この経験があって、演奏者に対する目が優しくなったと思います(笑)

どのように勉強されたのでしょうか。

ステップを活用しましたね。自身の支部が開催したステップの最終組で演奏したのですが、生徒も保護者も自身の演奏を聴いていて、大変な緊張感の中での演奏となり、良いリハーサルになりました。ステップアンケートで生徒や保護者の方に「先生が弾いてくれて良かった」という感想をもらい、嬉しく思いました。人前で演奏するのは大変ですが、やったらやった分だけ良いことがあります。

指導実技については、レッスン内でリハーサルのようなことをしていました。生徒への声がけをいつもより丁寧にしたり、指導実技中ならどのように対応するかなどを考えながらレッスンしていましたね。その期間の生徒は特に丁寧なレッスンだったと思います。指導実技は「でてきた音」に対してどうするかなので、普段のレッスンの延長ですね。

全級合格の後、何か変化はありましたか?

「もしかしたら、現在のレッスンに直結しないかもしれない」と思うような上級者向けのセミナーへの参加が増えましたね。例えば、野本由紀夫先生のリストのセミナーであったり、土田英介先生・古屋晋一先生のセミナーであったり。以前はレッスンにすぐに役立ちそうな導入のセミナーを多く選択していましたが、上級者向けの内容であっても全てに応用できることがわかってきて、積極的に参加するようになりました。

ピティナのイベントで一番役立ったのは?

コンペティションの課題曲セミナーは大変勉強になりますね。セミナーに参加するだけで、曲のレパートリーが格段に増えます。コンペティションを受けない方も発表会のレパートリーを増やすために、ぜひ参加をおすすめします。

指導者検定を勉強するにあたって、アドバイスをお願いします。

筆記試験についてのアドバイスになりますが、簡単な子どもの曲をぱっと見て、すぐにコードネームや和音記号をつけられるようにすると良いと思います。筆記試験では時間も足りなくなることが多いので、あまり考える時間がありません。時間をうまく活用できるように日頃から訓練をすると普段通りの実力を発揮できるのでは、と思います。

「ピアノ指導者」として大切にしていることを教えて下さい。

ピアノが上手になって欲しい、という思いはありますが、一番大事にしているのはピアノを練習することで「学力があがる」ことですね。音大に進むことは特におすすめしていません。学力の高い学校のピアノサークル、ジャズ研に所属してピアノを長く楽しんでもらえたらと思っております。

最後に、これからの目標についてお聞かせ下さい。

ヤマハには定年があり、ヤマハで指導をできる年数も限られてきたのですが、その後も指導は続けていきたいと思っています。また、ボランティアで地域の音楽祭などに参加し、まわりの方々に音楽を通じて還元していきたいですね。

ヤマハのグレードを全て制覇した後もさらなる目標をたて、見事全級合格された永田先生。生徒だけでなく、地域の音楽文化まで支えたいという音楽への熱意が大変感じられたインタビューでした。今後益々のご活躍を心よりお祈りしております!

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