ピティナ・指導者ライセンス
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Vol.3 土持恵理美先生「他の人のレッスンや演奏に学ぶ」(1999年度全級合格)

合格体験記
vol.3
土持恵理美先生

千葉県/指導者検定全級合格(1999)、ピティナ正会員、指導者育成委員会委員、ステップアドバイザー、コンペティション審査員、指導者賞(13回受賞)※2013年度実績、千葉あすみが丘ステーション代表(2014年2月より)

土持先生は、99年に指導者検定に合格された後、ステップのアドバイザーやコンペティションの審査員として各地でご活躍。また、指導者賞も13回受賞され、2014年2月には、千葉あすみが丘ステーションの代表となられました。また、指導者検定と密接にかかわる、指導者育成委員会の委員でもいらっしゃいます。
指導者検定を受けられ、その後、どのように指導力を磨かれ、ステーション代表まで務められる先生になったのか。お話を伺ってみました。

指導者検定を受けたきっかけについて教えてください。

音楽大学を卒業後、夫の仕事で海外に行っておりましたが、日本に帰国することになり、ピアノの指導者になることを考えました。ただ、当時の音楽大学では指導に関するカリキュラムはなく、レッスンに関しては、すべてが手探りで自己流でした。お金を頂いて指導をする立場なのに、いい加減なことはできない、指導の方法について専門的に学べる場はないかと様々な資料を取り寄せていたところ、ピティナの指導者検定が目に留まり、受検することにしました。

指導者検定の全級合格で得たことは?

子育てしながらの受検でしたので、時間を効率良く使って勉強する必要がありました。時間の使い方に関しては、この頃に学びましたね。また、レポート課題を提出するために指導セミナーに参加したのですが、そこで渡部由記子先生に出会うことができました。とても具体的に物事を説明していらっしゃったのが印象的で、セミナー後にお話をしたところ、レッスンをして下さることになり、大変勉強になりました。

コンクールに生徒を参加させたきっかけは?

全級合格をした後も渡部由記子先生とはお付き合いが続いていたのですが、ある日、「ピティナ・ピアノコンペティションへ参加してみない?」とお誘い頂きました。最初は、「自分の生徒なんてまだまだコンクールに出場するレベルではない」と思っていたのですが、コンクールの説明会に生徒の親御さんを連れて行ったところ、みなさんコンクールに参加したいと意欲的になられたので、渡部由記子先生を第二指導者としてコンクールに参加させることになりました。渡部先生に生徒をみてもらうことはとても勉強になりました。自分が最良と思う方法でレッスンをしたつもりでも、渡部先生に見て頂くと、さらに良いレッスン方法があって、多くのアプローチ方法を学ばせて頂きました。お蔭様で指導者賞も頂き、3年ほどは渡部先生のお力を借りて、コンクールに参加させていました。

全級合格されてからどのように勉強されたのでしょうか。

渡部先生のレッスンで大いに勉強させて頂きました。自分以外の指導者のレッスンを見ることで、新しい気付きや自分では考えつかなかったレッスンの引き出しを得ることができます。また、4期の弾き分けは自分なりに研究しました。ハイドンの演奏の手引き、バッハの演奏の手引きなど、あらゆる演奏の手引きは一通り読みました。勉強の積み重ねが実を結び、年齢が少し高い生徒でも全国決勝に進出するようになったのは嬉しかったですね。

あとは、コンペティションやステップでたくさんの参加者の演奏を聴くことも勉強になりました。自分が考えている以外にも様々な表現があるということを学ぶ良い機会だと思います。また、生徒の講評でも、こういった言い方・表現があるのか、と日々のレッスンの声掛けに役立っています。

指導者賞の受賞によって何か変化はありましたか?

レッスンに来たときだけ練習するような生徒が激減したことでしょうか。ある程度、生徒自身が目標をもってレッスンにくるようになりました。また、指導者としての自信をもって、ご父兄と会話をすることができるようになりました。

指導者検定を勉強するにあたって、アドバイスをお願いします。

音楽以外の視点も大事にしてはいかがでしょうか。たとえば、バロック時代の人の服装の絵を見せると、メヌエットを速く弾いていた子も速く弾かなくなります。幼い頃は視覚からの情報に特に敏感に反応するので、その時代時代の美術作品を見せると、演奏が変わることもよくあります。私自身が指導者検定の指導実技を受検した際に、生徒の様子を見ながらその時代の絵を見せたところ、「演奏ががらりと変わった」という講評を頂きました。

「ピアノ指導者」として大切にしていることを教えて下さい。

学校では、一人対大勢という形態ですが、ピアノは個人と個人の付き合いで、生徒とより深くかかわることになります。これは、その生徒に、ピアノはもちろんのこと、人格形成やものの考え方など、及ぼす影響は計り知れないと思います。常に自分も心や指導力を磨き、生徒に良い影響を与えることができればと願っております。

最後に、これからの目標についてお聞かせ下さい。

代表を務めている千葉あすみが丘ステーションのステップを10月18日(土)に東金文化会館にて初めて行います。今からドキドキししているのですが、このステップを成功させ、軌道にのせることが当面の目標です。大変ありがたいことに、たくさんの方々がスタッフとして協力を申し出て下さいました。ステップは敷居が高いと思われている方々に、気軽に参加でき、背中を押してもらえる発表の場ということを知って頂ければと思っております。また、ステップをきっかけにスタッフとして働いて下さる方々との交流を深め、ピアノ指導者同士の絆を築いていくことができれば嬉しいですね。

先日、ステップにご参加された方から、「当日の演奏が大変ひどくて、これ以上ないぐらい落ち込んだのですが、土持先生の温かさあふれるメッセージを見て救われ、今年もステップに参加しました」というお手紙を頂いたとのこと。一人一人の参加者に真剣に向き合われている土持先生らしいエピソードだと思います。今後ますますのご活躍をお祈りしております!ありがとうございました。

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