Vol.1　上田明美先生「演奏と並行して説得力ある指導を」（2013年度全級合格）

vol.1

滋賀県／指導会員

指導者検定の演奏実技の課題は、初級・中級はバロック・クラシック・ロマン・近現代から１曲ずつの計４曲以上、そして、上級はこの４曲に加え、エチュードが課題曲となっています。これらを全て受けるとなると計13曲。曲の重複は認められておらず、30分以上のプログラムを用意することになります。
今回は、東京冬期にて、13曲を演奏し、初見視奏にも合格、さらに指導実技初級、中級、上級も合格された上田明美先生をご紹介いたします。ご自身のレッスンや活動でお忙しい中、どのように勉強されたのか、お話を伺ってみました。

指導者になって約８年が経ちますが、一人でレッスンをしていると、これで本当にあっているのか、指導の方向性が間違っていないかなど、不安になることもあり、客観的に判断して頂ける場があればと考えていたところ、指導者検定の存在を知りました。 ただ、なかなか日程が合わなくて、２月の東京冬期地区で、演奏の初級・中級・上級、指導の初級・中級・上級をまとめて受けることにしました。

いえ、申込をする時点でプログラムを決めたので、１か月半程度しか準備する期間がなくて・・・

レッスンと並行して演奏活動もしているので、特に上級の演奏はその中から選曲をするようにしました。ただ、初級・中級については、少し新しい曲も取り入れました。

なかなかまとまった時間がとれず、平均１時間ぐらい、多くて３時間とれるかどうかでした。集中して練習する必要があるので、最初に「今日はこういったことに気を付ける」とメニューを立て、新しく取り入れた曲を中心に練習しました。また、間違える箇所は同じなので、その部分にマークをし、何が原因なのかをきっちり把握した上で練習すると効果的でしたね。ちょっとした隙間時間に楽譜を眺めて、アナリーゼをしたりもしました。

事前に課題曲を見て、間違えやすい箇所や気を付けるべき箇所は見ていきました。

とにかく、生徒さんの様子をしっかり見ること、生徒さんをほめること、生徒さんの年齢によって言い方を変えること、この３点を心がけていました。事前に勉強したことを10～15分で全て生徒さんに伝えるのは難しいので、ある程度ポイントを絞って教えるようにしました。

短い時間でポイントをおさえたレッスンをするということに役立っています。現在、大学の授業で25分という短いスパンで実技レッスンをしているのですが、指導実技試験での経験が非常に役に立っていますね。頭の回転もすごく速くなりました（笑）

ドイツ留学中にご指導頂いた先生が、音楽家としても、また人間的にもとても素晴らしい先生でした。まずは生徒の良いところをほめた上で、的確にアドバイスされるんです。いい意味での緊張感も当然ありますが、心から音楽を楽しんで勉強できました。今は、その経験をもとに指導させて頂いています。演奏活動も指導と並行して行うことで、説得力をもって生徒さんに接することができるんじゃないかと思っています。なので、今後もうまく両立していければと。自分がそう育ててもらったように、音楽が好きな生徒さんを育てていきたいと思っています。

将来、先生に憧れてピアノ指導者になる生徒さんがいらっしゃるかもしれませんね。ありがとうございました！

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